これまで、色んなお客様に出会ってきました。
お客様ひとりひとりに、思い出があります。
そんなお話を、少しずつ、紹介させていただこうと思います。
第1回目は、和紙畳を納品したお客様のお話です。
納品をさせていただいたお客様とは昔から親しくさせていただいており
納品してからも、お話をさせていただく機会がございます。
そんなお客様から聞かせていただいた、嬉しいのだけれども複雑でニヤニヤしてしまう、そんなお話です。
和紙畳を新調して5年ほど経ったある日、そのお客様と偶然出会った際
畳の調子について尋ねると
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田崎さん、うちに来たお客さんがね、客間になかなか足を踏み入れないのよ
「どうぞ」って言って、やっと入ってくれたんだけど
「また畳を新調したかと思って、踏んじゃ悪いなと思ったの」
…って言われたわ
その人、新調したすぐにもお見えになったことあるのにねー
でも、ほんと。
今でも新品みたいなのよ。
やっと入ってくれてからも、静々歩かれててちょっと笑っちゃったわ。
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と、にこやかに話してくださいました。
来客用に新調した畳なのに逆に気を遣わせてしまって、何とも皮肉な話ではありますが
私としては、お客様の笑顔に、とても嬉し恥ずかしくなりました。
いつまでも新品の輝きのまま
来客される方に気を遣わせ続けて欲しいものです。
第1回目ですので、このくらいで。